雪崩の種類
雪崩は斜面に降り積もった雪が重力の作用や人為的な要因によって
雪が斜面を崩れ落ちる現象をいいます。
雪崩には厳冬期に発生しやすい「表層雪崩」と春先などに発生しやすい「全層雪崩」
に大別することができます。

 1 雪面場には特定の条件により「弱層」と呼ばれる不安定な層ができ
   その上に雪が降り積もった状況で自然外力や人為的な外力が加わり
   弱層が崩れると弱層の上に降り積もった雪とともに斜面を滑り落ちる。
   これを「面発性表層雪崩」といい厳冬期(12〜2月)に発生しやすいとされてます。

 2 気温の上昇などにより溶けた雪の水分が浸透し地面と接している雪面が重さに
   耐えられなくなり全層が滑り落ちることを「全層雪崩」といいます。

雪崩のメカニズム
特定の条件下でできる「弱層」と呼ばれる層は5種類ありそれぞれ成因が異なりま。

 1 弱風、無風時の降雪は結晶の形を保ちながら水平に積もっていきます。
   これを「降雪結晶」といいます。これが弱層になります。

 2 晴天時の夜間など放射冷却により大気中の水分が積雪表面に凝結して霜を生成します。
   これを「表面霜」といい大気中の水分が多い環境で発達しやすく
   さらに弱風時には効率よく積雪表面への水分補給が行われるために発達しやすくなります。

 3 数センチ程度の新雪が降り積もった雪面が昼間温められ夜になって放射冷却により
   急激に冷却されると熱を伝道しにくい新雪によって覆われている下層の雪は
   温まったままの状態になります。
   このように
表面と内部での温度差が生じると
   温められた内部から冷却された表面へ水分の補給が行われ「しもざらめ雪」が発達します。

 4 粒の大きさが揃っている「あられ」は粒同士の接する面積が小さいため
   圧密、焼結による結晶同士の結合が生じにくく長時間弱層となり持続します。

 5 焼結によりしっかりと結合した結晶も急激な気温上昇によって融解し丸くなる「ざらめ雪」も
   結晶同士の接する面積が小さくなるため弱層となります。

   *圧密=雪を圧縮した場合に縮む性質
   *焼結=接した結晶同士が結合する性質。乾雪では焼結しづらくなります。

雪崩の発生しやすい地形
雪崩が発生しやすい地形などとして次のような場所があげられます。

 1 マジック38度といわれ不思議と雪崩が多く発生してる斜度です。

 2 沢筋、谷の合流付近

 3 斜度はそれほどないが一部分だけ植生(大きな木など)がない場所。

 4 デブリがある場所。即ち雪崩が発生した(しやすい)場所。

 5 吹き溜まりにより局地的に雪が堆積する場所。
風下側の雪庇の下にある斜面 
   (南東、東、北東側の斜面)に吹き溜まりなどによって堆積した雪はウィンドスラブ
   (ある面積が一枚の板のようになる)やウィンドクラストからなっており
   不安定に発達していきます。この雪面に外力を加えるとスラブ全体に伝わり雪崩の原因となります


雪崩が発生する原因
結合力が弱い層が弱層と呼ばれ弱層に積雪し自然の外力がきっかけで起こる雪崩を
「自然発生雪崩」といい人間の行動がきっかけで起こる雪崩を「誘発雪崩」と呼びます。

 1 歩行、滑走による振動や刺激。

 2 雪庇の踏み抜き、崩落。

 3 樹木や岩などからの雪塊の落下。

 4 他所で発生した雪崩による振動。

 5 地震など。

雪崩の予知

面発性雪崩の場合発生の原因となる弱層の壊れやすさをテストするのが
「弱層テスト」と呼ばれるもので「ハンドテスト」、「シャベルテスト」、「ルッチブロックテスト」
などいくつかの方法がありますがいずれのテストも弱層がある場合その弱層を境に切れたように
崩れる状態になります。
弱層の強度は実施する人により感覚が異なりますので何度も実施することにより
自分なりの評価方法を確立することが必要となります。

 1 危険であると判断したらその斜面には近づかない。または引き返す。

 2 迂回できる場合は必ず迂回する。

 3 斜面をトラバース(横切ること)しない。どうしてもトラバースの必要がある時は
   1人づつトラバースし前の人が安全な場所に到達したら次の人が行くようにする。 
     

ここからは雪崩についてまとめてみました。

こうして地上に降ってくる雪ですが気温や湿度、風の強さなどによって
実際に山に降る雪質は大きく変わってきます。
こうした気温の変化や吹雪のさなかやその直後に起こる雪山での災害に
雪崩があります。
雪は,大気中で水じょう気が直接,氷になることによってできます。
これを水じょう気の昇華(しょうか)と言います。
大気の中には,小さなチリがうかんでいて,雪は,このチリを種(氷晶核
ひょうしょうかく)として雲の中にできます。
雲の中の温度が0℃よりもかなり低く下がると,雲の中の種(氷晶核)の周りに水蒸気が凍って
小さな氷の結晶(けっしょう)を作ります。最初は,0.01〜0.1oと目で見えないぐらいの大きさですが
この結晶の上に,さらに水蒸気が凍って成長し,雪の結晶ができあがります。
雪の結晶は,六角形のものをよく見かけますが,針のようなものや角柱,板の形など,さまざまな形があります。
雪の結晶がどんな形になるかは,その時の空気の温度と空気中の水じょう気の量によって決まります。
成長して大きくなった雪の結晶は,自分の重さのために大気中にうかんでいられなくなり,地上に落ちてきます。
これが雪がふる仕組みです。

雪について




ニセコ地域の天気
ニセコ地域(羊蹄山麓)で特に雪が多い要因としては
冬型の気圧配置が強まり大陸からの季節風(西または北西の風)に乗ってやって来る
雪雲が羊蹄山にぶつかることによって雲が留まり
倶知安やアンヌプリに大量の雪を落とします。
もし羊蹄山の標高がもっと低ければここまで雪が降らないといわれてます。
もうひとつ無意根山や中岳など倶知安と札幌の間にある山々に
雲がブロックされることも降雪の要因だと考えられます。
(西寄りの風の時は倶知安では大雪でも札幌は晴れてることが多く
また北寄りの風のときには札幌や小樽で大雪になることが多いみたいです。)
ここではまず日本の冬の天気の特徴についてお話します。
日本の冬の天気に大きく影響を及ぼす気団としてシベリア気団があります。
毎年冬が近づくとシベリア大陸や中国北東部で発生する大陸性の寒帯気団で
大規模な放射冷却の影響で地上付近の空気が冷やされた
寒気で日本に寒波をもたらします。
本来は乾燥した冬の季節風ですが日本海に達すると
海面から水蒸気の供給を受け
雪雲となり、日本海側の地方に大雪を降らせます。

西高東低
シベリアの高気圧が勢力を強め、アリューシャン列島
付近では低気圧が発達し、日本列島付近の等圧線が南北の縦に並び大陸からの
季節風が強く吹き付け西高東低の典型的な冬型の気圧配置となります。

この冬型の気圧配置は12月末から2月中頃までずっと続く訳でなく、約5〜
6日周期で冬型が強まったり弱まったりしています。
また冬型の強さにも周期性があるといわれ、最初の寒波から次の寒波までの日
数を数えればその日数後にその次の寒波が来ると言われています。

天気について




天気と雪について

以上、簡単ですが雪崩についてまとめてみました。
あくまで基本的なことでありこれが全てでないことを理解してください。
この文章を読んだことをきっかけにご自分でもっと深く調べてください。
そして実際に何度も山に入って経験にもとずく自分の知識にしてください。

さまざまな事情でそれが出来ない人は知識、経験を十分に備えた
ガイドと同行することをお勧めします。



風の情報
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日本気象協会tenki.jp
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